コンビニ人間

『コンビニ人間』の感想を書きます。

 

とても哀しかった。こんな苦しい小説だと思ってなかったから余計にダメージがあり、ずっしりきたなあ。session22を聴いて村田さんのファンになりそうだったけど、朝井リョウ西加奈子と仲良いみたいだからファンになれなくて悲しい。まあそんなね、そこまで好きじゃないしね。『消滅世界』は微妙だと思ったし。でも『コンビニ人間』はすこぶる面白かった。読みながら相模原の事件を思い浮かべた。そもそも「障がい者」という人たちはいないんだよね。社会が特定の人たちに「障がい」を負担させているだけでさ。人間ってのはそういう認識を持ち共有できる人のことじゃないのかなと思ったり。でも、こうして安易に人間を定義しちゃったり(もちろん本気で書いているわけではないけれど)、おかしいね。ただ考えることを止めたら人間である意味ないし、『コンビニ人間』の中では主人公の異常さとともに現代人の服装や喋り方が個人の所有物ではなく、全体で共有しているものであることが色濃く描かれてて、さらにいうと、『人間』っていう概念は当然ながら、それぞれの実存自体も個人のものではなく共作物であると考えるととても虚しくなる。これはいまカナダに居るから強く共感することができた。こっちに来てからいちばん変わったのは人種とか関係ないって気軽に言えなくなったことで、本当に個性って何なのか分からなくなってる。人間って容器に過ぎないのかもしれない。異常が個性であるかは分からないけど、不器用な人間が個人的には好きだ。コンテクストがあれば会話できるけど、そこから外れると突然あいさつすら難しい。

 

もうかれこれ三週間ほど一人で行動しているし、なんだかお一人様って日本より少ない気がして、どこ見てもだいたい複数人で行動してて、ただ複数で歩いている人たちの雰囲気って驚くほど似てて、どうゆうことなんだろうかと不思議である。自分と同じ雰囲気の人に会うことなんてほとんどないから、おそらくずっと一人なんじゃないかと思いつつ、一人ほど気楽なものはないとこんなところまで来て、というか英語を勉強しに来ているというのに実感してて?マークだけど、新しく住み始めた家では否応なく英語を喋っているので良しとしよう。

 

そしてバンクーバーに移って三日で仕事を手に入れました。ここまで面接にたどり着けたら4勝0敗です。でもバンクーバーならってかカナダなら誰でも余裕で仕事ゲットできる。選ばなければ。

 

本当はチップがあるからレストランで働きたいけど、居酒屋とかレストランでやっていく自信がないので日系スーパーで品出しレジです。とりあえず週3働けば生きていけるので、週3のつもりなんだけど、掛け持ちする予定です。朝昼のレストランとかにしようかなあ。

 

あ、『コンビニ人間』コンビニで働いたことがある人にはとてもおすすめです。描写の細かさがすごいし、村田さんが相当やり手な店員だって分かる。コンビニはとても大変な仕事だけど、店によってすごく差があるから(高校のとき二店舗で働いてた実感)楽なとこは楽だろうけど、きちんとした店は楽しい。

 

今日初出勤で品出ししてフェイスアップして楽しかったので、自分はコンビニ人間の素質アリです。

 

ああ、帰ってセブンイレブンで爆買いしたい。