想像が及ぶ範囲

海外生活を始めて8ヶ月半が経過した。あと3ヶ月半である。最初は夏に日本帰るの面倒だし、最後のんびり勉強して帰るかと考えていたけれど限界である。海外に適応できなかったといえばそれまでなんだけど、いや事実そうなのかもしれない。が、それは微妙に違うかも。他人と一緒に住むことのストレスとは想像以上である。東京で住んでいた実家が快適過ぎだったのかもしれない。でも、一つドアを開けたら、他人が座っていて、さらにもっと知らない他人も座っていたりするのだ。

「こんにちは」とか「こんばんは」とか「どうも」とか「元気?」とか「お疲れ」とかって自分にとって家の中でスイッチを切ってるときに咄嗟に出る言葉じゃないわけで、「おかえり」と「ただいま」を間違えることとか多いし、何だろう、この作り物感。

 

と、毎度おなじみの愚痴でしたが、本日は休日でした。洗濯機が故障しており洗濯できず。汚身体に汚洋服の生活再開です。

 

いまのお家いいとこだけど値段が高いので3月末で出れたら出ようか検討中。追い込まれていたから決めちゃったけど、500ドルにしていれば月々できる貯金額が変わるわけだし、考えないとなあ。こっちの家賃800ドルってどんな感じだろう。

 

少し前にお金に執着するのやめよーなんてことを語っていたのに、なぜこんな話をというと、鈴木大介と中村淳彦「貧困とセックス」をkindleで読んだからだ。

 

とは大嘘で、単純にやっぱりお金欲しいからだ。

 

で、本についてだけど、とにかく絶望絶望絶望で、自分が最近悩んでいたことっていったいなに?という感じだった。

 

タイトルは「貧困とセックス」だけど、単に性労働について書かれているわけではない。日本が敗戦国で、銃規制が厳し過ぎるほどだから、治安が悪化せずに済んでいる(目立った暴徒が起きていない)だけで、貧困は想像以上に深刻だという。オレオレ詐欺振り込め詐欺は世代間格差の象徴で、詐欺グループはどんどんエリート集団化(高卒から大卒へ)していっている。性産業もインターネット広告の効果で最初のハードルが下がっていき、働く女性のレベルが上がっていき(学費(奨学金)、生活費のための女子大生や、奨学金返済、低賃金、非正規のためのダブルワークの社会人など)下はどんどん弾かれて路頭に迷ってしまっている。

 

こういった事実から、より深刻な話になるのだけど、日本の未来は悲惨だね。

 

移民したくないし、上にいくしかないんだよなー。(格差どんどん広がるし、効果的な再分配の政策なんて絶対に出てこない)

 

見ようとすれば少し想像すれば見えるような現実の悲惨さに蓋をしてきた結果、その蓋が開いてきている。その蓋から出てきた痛みに傷つけられる人たち。痛みをさらに叩いて蓋する社会。

 

でも、そういうの無視して自分だけでも誰かと結婚して子ども作って幸せになりたいなって思ったりするし、結局、人なんてそんなものなのかな。

 

いや、やっぱり嫌でしょー。どんなに綺麗な高層マンションに住んでてもさ、休日子ども連れて近くの公園に行ったら公衆トイレで売春してる娼婦がいてベンチを占領していた人が人知れず死んでる世界なんてさ。